初めての持ち込み

これは2004年9月6日にりぼん編集部に持ち込みをした時のレポートです。
青空語に訳して書いてあるので、実際のやりとりと言い回し等、微妙に違っている事があります。ご了承ください。
ちなみにここにある文章の無断転載を禁じます。

★電話予約★
 りぼんへ投稿し始めてから、約8年。成績が伸び悩んでいる私はついに持ち込みへと踏み切った・・・!
 本来は原稿が完成してから予約の電話を入れるべきなのですが、土日を挟んでいたため(編集部は土日お休み)未完なのに予約入れちゃいました。これは土日で完成する自信があったからなので、良い子は絶対にマネしちゃいけません。完成してから予約を入れましょう。
 電話をすると、希望日時、緊急連絡先(携帯番号)などを聞かれるので、すぐ言えるように準備しておくと良いかと思います。そんな感じで月曜の午後2時に日時は決定しました。

★いざりぼん編集部へ★
 新幹線で東京に向かい、乗り継いで水道橋駅に行きました。2004年りぼん9月号の漫画スクールに載っていた地図等を参考にしつつ、編集部のあるSBビルへ。駅から進む始めの一歩さえ間違えなければ、迷わず来れる場所だと思います。地図があればね。
 受付で所定の手続きをして、来訪者用のバッジを受け取り、5階の一番奥の部屋へ行くよう言われました。行ってみると、結構広い部屋で、6人用テーブルがいくつか並んでありました。まだ担当の人が来ないので、どうしたらいいのか分からず、ぼけ〜っとしていたら、その部屋で何か作業をしていた人に「適当なところに座ってていいよ」と言われたので、遠慮なく座る事にしました。座ったらすぐ待ちかねていた編集者さんが登場! 電話の声からして、若いなと思いましたが、実際若かったです。20代前半か半ばか・・・たぶんそのへん。ちなみに男性の方でした。

★批評★
 よろしくお願いしますと軽くあいさつを交わし、では早速・・・と持ち込んだ原稿を見て頂きました。噂通り、読まれている間は今月号のりぼんを与えられました。一応読もうとしてみましたが、編集のTさんがどんな風に読んでるのか気になって、話が頭に入らず、まともに読める状態じゃなかったです。チラっと読んでる様子を見てみると、やっぱりというか、見開き単位で読んでいました。読むスピードは普通だったと思います。

 一通り読み終わったところで、批評開始☆何言われるのかハラハラドキドキものでしたが、第一声が「絵は良く描けてると思いますよ。」でした。今まで「絵をがんばろう」と評価される事が多かったので、かなり意外でした。「え!?いいんですか・・・?これで・・・」なんて思わず返しちゃうほどに。特に変な絵も見当たらず、背景も書き込んであるし、絵柄も小花先生が好きという事でりぼんっ子に好まれるタイプだ、という事でよく描けてるらしいです。 ただ、男女の書き分けがまだあまりできていないので、そこはよく研究しとくようにとの事でした。でもまぁ描いてるうちに段々良くなっていくでしょう、との事でした。あとアップになった時に輪郭がポッチャリして見えるらしいです。そうだったのか・・・これは全く気づいてませんでした。

 この作品「オフ会という名の初デート」で問題なのは、絵よりもストーリーの方らしいです。りぼんっ子(小6〜中2くらい)が読むには大人っぽすぎると。大人っぽいのはイイ事なのだが、これは子供には難しすぎて分かりにくいだろうと。前半メル友の話で後半から遠距離ネタが出てくるので、メル友ならメル友の設定だけ使うとか、メル友にしないで、普通の遠距離だけの話にするとかした方が良い。または、メル友の状態で付き合うんじゃなくて、初めて会って、それから付き合う事になるというようなのならOK。メールだけの関係でどうして好きになれるのか、子供は理解できないだろう。描くならもっと掘り下げて、メールだけでも好きになっちゃうカッコイイ男の子キャラが作れるのならそういう話でも大丈夫だろう、と。

 どうやら私はキャラがダメみたいです。読者は、登場してくる男の子が「カッコイイな。こんな人と付き合ってみたいなv」と思い、それでその男の子の事が好きな主人公に感情移入するらしいので、男の子が魅力的でないと感情移入しずらいようです。絵がずば抜けて魅力的ならそれだけでもアリかもしれませんが、私の絵にはパッと見て「おぉっ!」と目を引くような魅力・華やかさが欠けているので、キャラクターで勝負しなければいけないそうな。
 主人公も自らが考えて動いているというのが少ないため、読み終わった後に印象に残らないそうです。どんな子だったっけ?と聞かれた時に「猫が好きな子」としか言えない・・・って。おそらく主人公があまり動いていないのは、作者(私)が受身な性格なのが大いに影響してるかと思われます・・・(涙)

 この場面が魅せたいんだ!って場面は、思いっきり大胆に大きくコマを取った方が良いそうです。自分では大きく魅せたつもりのコマが、実は他のどうでもいいコマに負けていたので、突っ込まれました。ここで印象的に魅せる事ができると、読んだ後に印象に残ったりするのでしょうね。

 私の漫画は描き慣れてしまっているのが分かるそうです。それがかえって良くないとか。設定をここをこうして、そしたらあそこはああしなければ・・・とか設定にばかりこだわってしまうクセがあり、そのせいでキャラが弱くなっているみたいです。上手く説明できませんが・・・。設定だけでも漫画は描けるけど、設定だけじゃ面白くない。キャラさえできていれば漫画は誰にでも描ける。というような事をおっしゃっていました。今度はキャラをしっかり作って、設定に細かくこだわらずに描いてみると良くなるだろうという事でした。ぶっとんだ奇抜なキャラくらいがちょうどいいとか。
 このままではAクラスのままだろうけど、キャラが良くなればもうワンランク上(入賞)にできるだろう、と言われました。とにかくキャラなんですね!キャラ!今まで設定から作っていき、キャラは後回し状態で描いてきたので、目からウロコなお話でした。どうやらこれまでの漫画の描き方を変えなければいけないようです。キャラ重視で作る・・・難しいですねぇ。キャラ作りのコツ(?)はとにかくいつもそのキャラの事を考える事だそうです。例えば「このキャラなら、黄信号の時止まるかどうか・・・」など、小さな事でもいいから考えるといいらしいです。

★その他色々突っ込んでみました★
Q.背景トレースって少女漫画に合わない気するんですが、どうなんでしょう?
A.あまり見かけませんよね。重たくなってしまいますので・・・。トレースするのは別に構いませんが、編集者によっては「手抜き」と判断される事もあるかもしれないので、できるだけ自分で描いた方がいいでしょうね。

Q.りぼん漫画スクールの入賞者のところに書いてある点数、あれはどうやって決めているんですか?
A.あれは担当の人がいるんですよ。ちゃんと漫画描いてる人がやっています。批評用紙を参考にして点数つけているようです。

Q.人物のアオリやフカンが難しくて上手く描けません・・・
A.う〜ん、編集者は作画の技術的な事には答えられないんですよ(分からないので)。完成した原稿に対しては言えるのですが・・・。冷たい言い方になっちゃいますが、努力賞以上とって担当がつくと、スクーリングという漫画家の先生に実際に会って質問ができる機会が設けられますので、頑張って努力賞以上とってください。それまでは自分で研究してみてください。

Q.主人公の年齢に上限はありますか?
A.ありません。いくつでも結構です。しかし高校生くらいが一番多いようですね。大学生とかになっちゃうと、生活環境とか変わってちょっと遠い感じがして、感情移入しずらいと思うので。でも面白くて感情移入しやすい話であれは大丈夫ですよ。

Q.りぼんで描いちゃまずいだろ!ってな物ってあります?
A.以前ベイベであった妊娠ネタはあまり好ましくないですね。でもあれは分からないように描いてあるので・・・いや・・・分かるかなぁ(汗)ドラッグとかタバコとかはダメです。犯罪を助長させるような物は絶対ダメです!懲らしめるような内容であれば大丈夫かと思いますが・・・。一般的に子供には読ませたくないなと思うようなのは描かない方が無難ですね。

Q.応募資格に未発表作品とありますが・・・
A.雑誌に載ってなければ大丈夫です。しかし、自分達で本を作って一般公開&販売というようなのはやらない方が無難でしょう。ネット上に公開するのも同様。作品を公けにするのは、結果が出るのを待ってからにした方が良いです。もちろん身近にいる友達とかに見せる分には全然構いません。

Q.就職して社会人になっても漫画描いてデビューした人っているんでしょうか
A.厳しいとは思いますが、社会人だからってデビューできないって事は無いですよ。フリーターになって漫画描いたからといっても、デビューできる保障はないので、就職するかフリーターになるか、そのへんは自分でよく考えてみてください。フリーターになったら絶対デビューできるなんて、そんな無責任な事は言えませんから・・・。

Q.25歳以上のデビューってぶっちゃけ難しいですか?
A.年齢は関係ありません・・・という事にはなっていますが、実際、年齢は見ますね。18歳と25歳で同じ物を描いたとしたら、18歳の方をとるでしょう。若い方が成長していく可能性がありますからね。正直言って25歳以上でデビューする人は少ないし難しいですが、年齢関係ないくらい良い作品を描いていただければ大丈夫です。


 今回の持ち込みレポートはこれで以上です。「成績が伸び悩んでいて、どうしたらいいか分からない」、「批評用紙だけじゃ不満だ。まずまずって何さー!?」という方には持ち込みしてみる事をオススメいたします。今まで気づかなかった道が開けるかもしれません。
 とこどどころ誤字脱字、意味不明な文が混じっていたかもしれません。混じってたらスミマセン・・・。この人文章書くの苦手なのね〜と見逃してやってください。誤字脱字は教えてくださるとありがたいです。
 このレポートが、多くの漫画家志望さんの励み、参考になれば幸いです。

2004.9 青空瑞希
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