2回目の持ち込み

これは2005年11月18日にりぼん編集部に持ち込みをした時のレポートです。
青空語に訳して書いてあるので、実際のやりとりと言い回し等、微妙に違っている事があります。ご理解の上お読みください。
なお、この文章の無断転載を禁じます。

今回持ち込んだ作品「優勝しようよ!」

★電話予約★
 前回の持ち込みから約1年。とにかくキャラをちゃんと作るようにとのアドバイスを参考に、やっと1作品出来上がりました。
 緊張しながらりぼん編集部に電話をすると、1コール鳴るか鳴らないかのところで編集部の方出ました(早っ!!)持ち込みをしたいと伝えると、「少々お待ちください」と言われ、持ち込み担当の方に代わりました。
 希望日時、緊急連絡先(携帯番号)を聞かれるので、すぐ言えるように準備しておきましょう。

★いざ集英社へ★
 新幹線で東京に向かい、乗り継いで水道橋駅に行きました。漫画スクールに載っていた地図と去年行った時の記憶をもとに集英社へ・・・。「この道で合ってるんだっけ?」と不安になりながらも、なんとか間違えずに行けました。
 約束の時間になるまで、昼食を食べていたのですが、緊張のあまり食事がちっとも喉を通りませんでした。それでもお腹は空いていたので、水で流し込みながら食べました(残したけども)

 そして今年新しくできた集英社のビルへ・・・。なるほど立派な建物です。 ガラス越しに見えるロビーらしきものと、ガードマンが見えます。恐る恐る玄関をくぐりました。それから受付のお姉さんのところへ「りぼん編集部のSさん宛てに持ち込みに来たのですが」と伝え、訪問者カードに記入、バッチを受け取り、ロビーの指定された座席へ行きました。ロビーにはりぼんなどが並ぶマガジンラックがありました。
 コートを背もたれに置き、一息ついた頃、Sさん登場です。

★批評★
 前回同様、「よろしくお願いします」と挨拶をした後、「ではさっそく・・・」と原稿を見てもらいました。が、前回とちょっと違う点が・・・それは、読んでもらってる間、りぼんを渡されなかった事です。まぁ、こういう事もあるのかと、仕方ないのでSさんが読んでる様子を観察していました。前半の方は1ページずつじっくり読んでから見開きにして見るといった感じでしたが、後半は見開きにして読んでいるようでした。読む速度は普通です。読み終わったあとは、最終ページ裏の応募要項に目を通していました。
以下批評(「優勝しようよ!」を一度見てから読んだ方が分かりやすいかと思います)↓

 「まず気になったのが、ここ(2P)とここ(8P)、背景が斜めになってるね。せっかくちゃんと描いてるのに、不安定な感じがしちゃってすごくもったいないと思った。」

 「あとゴールがどこについてるのかが分からない。このままだと平面的で壁にぺたっとくっついてるように見えるよ、ほらここのボールとか・・・(シュートが入ったシーンを指して)。ゴールの背景までちゃんと描いて欲しい、そうする事によって、画面に動きも出てくるから。描かない事によって手抜きにも見えてきちゃうからもったいない。」

「人物の周りの線を太くしてあるところがあるけど、迫力が無くなるのでやめたほうがいいです。確かに線を太くする効果もあるけれど、この場合そうする必要性は感じられない。」

 「33Pの『ハッ!どきどき・・・』の動きは実際ありえない。普通この状況、試合中でこんな事やってる余裕はないはずですよね?だからすごく不自然に見える。」

 「最後に羅未がシュートするところ、『ふわっと』で次すぐスパって入るんじゃなくて、もうワンクッション欲しい。ボールが動いてる軌跡とか描いた方が良い。」

 「話の面では、あんまり面白くなかった。ヤマ場がどこか分からないね。最後の試合のシーンまで、どんどん盛り上がっていくのかな?と思いきや、ずーっと同じような感じできちゃっている。あとこれ、ホントは32ページでおさめるつもりだったでしょ?(青空頷く)ページ数足りなくてバタバタしちゃってるのが分かるよ。ヤマ場は決勝戦のところだと思うんだけど、ここはもっとページ数使って盛り上げて欲しい。主人公羅未が2回も落ち込んでいるのがクドイ。落ち込んで励まされて立ち直ったかと思いきやまた落ち込んでいる。これでは読者が『どっちなの?』と混乱してしまう。葵ちゃんにしても励ましたり怒ったりして『優しいのか、たまに怒る人なのか』分からない。優しいんだろうけど。」

 「主人公の目的が不明確。最初は『あの子に負けない!』で後半になってから『優勝する』の方が目的である事がやっと分かる。これでは読者は話の中にスムーズに入っていけない。最初の方で主人公の目的を明確にして欲しい。」

 「最初の方のセリフ『今年も羅未と同じクラスで良かったよ』『また一緒にバスケできるもんねー』が不自然。何故かというと、このセリフからだと羅未はバスケ得意なのかな?という印象を受ける、しかし次に出てくるエピソードからそうではない事が分かる。また、羅未がバスケを好きで楽しんでいるという風には見えない。どっちかっていうと苦しんでいる事が多く説得力に欠ける。せっかく去年準優勝で優勝できなかったというエピソードがあるのだから、『去年果たせなかったけど、今年こそは優勝しよう』というのを最初に出した方が説得力が出て良い。セリフ→エピソードが不自然じゃないように構成をしっかりとやろう。」

 「主人公の性格がウジウジしすぎていて、読んでいて楽しい気分になれない。読んでいて、『優勝できるのかな?ドキドキ』よりも『主人公大丈夫なのかな〜?』と主人公の体の心配をしてしまう。」

 と、大まかな批評をしてもらった後「何か質問はありませんか?」と質問タイムに突入しました(この持ち込み記では都合上、質問タイム時に言われた批評も一部上記に記してあります)。正直、結構すぐに質問はありませんかときたので、「あれ?これだけ?もう終わり?」とか思いました。が、こちらが細かく質問していくと、出るわ出るわ細かい批評・・・やっぱこうじゃなくっちゃね!せっかく新幹線乗って来たんだから。
 そんなわけで充実した質問タイムが始まります。

★質問タイム★
Q.ペンタッチはどうですか?
A.特に問題ないと・・・(ぺらぺらとめくる)あ、細かいところがちょっとね。こことか(2P目の葵の手を指して)。細かいところもぶれずに描ければあとは問題ないです。もちろんもっと上手く描く事もできるだろうけど(これに満足する事なくもっと上を目指せという事だろうか?)
あ、でも線がちょっと細すぎるかな。輪郭の線にもっと差をつけるとか・・・。

Q.描き込み具合はちょうど良いですか?
A.ゴールのとことかのバスケのシーン以外は特に問題ありません。

Q.デッサンは?
A.4Pのライバルの子の全身絵(太線のやつ)がなんかおかしい・・・なんだろ(悩)。(ぺらぺらめくって羅未の全身絵見て)あ、足が短い。4Pあたりから顔の輪郭がだんだんゆがんでいる。2Pはちゃんと描けてるが、それ以降は顔が丸すぎなのが気になる。もっとシャープな輪郭にすると可愛くなると思う。4P1コマ目の背景も変だ。ギャグ絵が多すぎる。ギャグじゃなくちゃんと全身描いているのが少なすぎ。

Q.可愛さ、華やかさはありますか?
A.ないです(キッパリ)。話のせいかもしれませんけど。あと表情が単調かな?でも2ページ目は葵ちゃんも羅未も可愛いと思った。

Q.人物の描き分けはできてますか?
A.髪型とか髪の色変えてるし、できてますよ。

Q.古臭くないですか?
A.あーそうですね。描き文字とか。15ページのこの「にやり」とか(特に強調)。人物の線にもっと強弱をつけると良いですよ。

Q.動きはありますか?
A.ないです(キッパリ)。特にバスケのシーン、走ってるように見えない。ボールも止まってるというかくっついてるように見える。背景をもっと細かいとこまでしっかり描いてやる事によってだいぶ改善されると思う。
 あとスポーツしてるところはもっと大きく。小さいコマに小さくギャグ絵で描いているのばかりなので迫力が全く感じられない。大きくちゃんと描く事によって迫力も動きも出てくる

Q.主人公は自発的にちゃんと動いてますか?
A.友だちに言われたから動いている印象ですね(つまり動いてない)。

Q.キャラはちゃんとできてますか?
A.できてると思いますよ。ただ、メインの二人(羅未&葵)に魅力が無い。この二人の顔が印象に残らない。ライバル役の子の方は悪役に徹していて面白い行動とかしていて印象に残るし、魅力的。

Q.話は分かりやすいですか?
A.話は分かりやすいです。が、クドイ。主人公2回も落ち込む必要はない。

Q.ライバルの脇役の金髪娘、名前が出てきませんが気になりませんでしたか?
A.・・・・・言われて初めて気づきました。気にならないけど、話の中で出してあげた方が親切ですね。

Q.ホワイトの濃度はこんなもんで大丈夫ですか?
A.大丈夫ですよ。そんな細かいこと気にするよりも、キャラクターと話作りを頑張ってください。

Q.このタイトルじゃそのまんますぎるかと思ったんですが、どうでしょう?
A.そうですね(表紙見てうなずく)。でも投稿の段階ではそんな気にする必要はないですよ。

Q.投稿作で複雑な設定の話は避けといた方が無難でしょうか?
A.そんな事はないですよ。面白くて、分かりやすくて、ちゃんとまとまっているのが描けるのならば。

Q.主人公はジメジメしてる子より明るくて元気で面白いような子が良いのでしょうか?
A.別にぶっとんだキャラである必要はありません。普通の性格+αで、読者に「あーこの子普通の子なのにこんな面白い行動してるよ。こんな面白い事言ってるよ。こんなキャラ作れるなんてスゴイなー」と思われるようなキャラが良いですね。

Q.ズバリ、今りぼんが求めている作品とは!?
A.面白い作品です。多少対象年齢層から外れていても面白ければOKです。


★最後に★
 持ち込み記いかがだったでしょうか?長すぎて疲れましたか?今回持ち込みに行って思った事、とにかく何でもいいから質問する!です。質問しないで帰ってくるのは損ですよ☆今回担当してくださったSさんだけかもしれませんが、質問すれば質問した以上の答えが返ってきます。かなり勉強になりました。これから持ち込みに行ってみようかなという方、行く前にあらかじめ質問したい事をずらーっとメモっていく事をオススメいたします。当日電車の中で考えればいいや〜とか思っちゃいけません。きっと緊張してそんな事思いつきやしません。それから、批評聞く時はメモを取るのを忘れずに!


 ところどころ誤字脱字、意味不明な文が混じっていたかもしれません。混じってたらスミマセン・・・。この人文章書くの苦手なのね〜と見逃してやってください。誤字脱字は教えてくださるとありがたいです。
 このレポートが、多くの漫画家志望さんの励み、参考になれば幸いです。

2005.11 青空瑞希
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